ゑデン blog

合法で読む Tetra hydro cannabinol ( T H C )

煙ズム

ども、むラサきです。合法で読む、Tetra hydro cannabinol ( T H C ) 煙ズム お読みいただけましたら幸いです。暫し、お眼々をお汚し下さい…… ご意見ご感想などございましたら、お気軽にお寄せ下さい。 では、暫しのトリップを…… by むラサき 煙ズム -目次…

第1話 Pink Star Burst

第1話 Pink Star Burst 宣言 バビロンニ散在シ真実ヲ知リ得ル民ヨ、覚醒セヨ! 数多ナ時ヲ不当ナ権力ニ弾圧サレ続ケテキタ兄弟タチヨ、団結セヨ! 吾ラハ幾度トナク平和リニ自由ト開放ヲ国ニ求メタ。 憲法第13条・個人の尊重・生命・自由・幸福追求ノ権利…

第2話  Bruce Banner #3

第2話 Bruce Banner #3 春分の日、船は港へ接岸した。二人はバイクに跨り陸へ上がると、ゼネコンによるにわか景気に沸く市街地を避けて検問をすり抜け、立入禁止区域に潜入した。澄んで乾いた風を切ってバイクを滑走させると、ゴーストタウンと化して崩れ去…

第3話 AK - 47

第3話 AK - 47 陽はとっくに暮れて辺りは闇に包まれる。山の気温はいっきに下がり、吐く息は白く体の芯まで冷え切った。ランタンで灯りをとりテントを張って、ガスコンロで湯を沸かし、二人は冷え切った体を熱いコーヒーで温めた。 新聞紙を引き詰めたテン…

第4話 L S D - Barneys

第4話 L S D - Barneys 日の出とともにテントを片付けた二人は、足早にキャンプ場を後にした。青く澄み切った秋空の下、朝の山の気温はとても冷たく、日差しは強いが吐く息は白い。 「これほど昼と夜との寒暖の差が激しければ、 G Jガンジャはきっと良い成…

第5話  Durban Poison

第5話 Durban Poison 街中で流星など見える筈もなく、人混みに身動きを奪われた巴がビルの谷間から見上げる夜空には、薄汚れたネオンの発光が規則的に点滅を繰り返し、よどんで灰色掛かった夜空を奇抜な原色で浮かび上がらせている。 見慣れた街の風景に、な…

第6話   Gorilla Glue #4 ( G G 4 )

第6話 Gorilla Glue #4 ( G G 4 ) 山間に続くなだらかで美しい羊腸道を、軽トラの後ろに付いて2台のバイクが登って行く。心地よい風と光を浴びて標高が上がっていくと気温も下がり、山の色付きも濃くなって、豊かな色合いが眼下の森に広がる。 暫く走って行…

第7話  Tutankharmun ( King Tut )

第7話 Tutankharmun ( King Tut ) 夜がまだ明け切らず、外がほんの少し薄らと白っちゃけてきた頃。小便で目を覚ました巴はボットントイレに行くのが面倒で、土間の戸を開けて外に出た。 外は一面真っ白な霧に覆われていて、静寂に包また山の頂きからゆっくり…

第8話  Chiquita Banana

第8話 Chiquita Banana 赤くうねりをあげる炎の火柱が夜空へと立ち昇り、火の勢いが闇夜を白昼に変える。もっけの化粧をほどこした着物姿の少女たちが空に共鳴し、炎に照らされ大地に舞う。 天高く立ち昇る火柱のまわりを唄を歌って踊りながら、円をえがいて…

第9話  Sour Diesel

第9話 Sour Diesel 山の家へ戻り、二人はワッカに洗濯してもらった自分の服に着替えて、貰った木片はザックの中へしまった。ユタは約束どおり例の場所へ案内すると言う。その前に朝食を食って行けと平屋へ呼ばれた。 家の中ではきのう巴がカワイイと言ってい…

第10話 Girl Scout Cookies ( G S C )

第10話 Girl Scout Cookies( G S C ) ケムリが充満する車内のサンバイザーに、神の宿る木片を差し込み、 Electric Dub が大音量で流れる幌付きの2tトラックが、草をなぎ倒して野原に止まった。 ドアが開くと、大量の白いケムリがモクモクと空へ舞い上が…

第11話 Pineapple Chunk

第11話 Pineapple Chunk 30g 程の G J が詰まった袋を受け取ると、関節の痛みを堪えて病を抱える男が言う。 「いつも済まない。これ、少ないけど受け取ってくれ……」 男は金の入った封筒を卍に渡そうとした。 「いいわよ……、いらない。また必要になったら言…

 第12話 Lemon Skunk x Super Silver Haze

第12話 Lemon Skunk x Super Silver Haze 6号室のドレッドの男は、巴の部屋から出てきた卍と階段の入口で顔を合わせると会釈した。卍はドレッドに爽やかに微笑むと、バイクに跨りヘルメットを被ってエンジンを吹かし、あっという間にビルの谷間へ走り去る。…

第13話 Nova O G

第13話 Nova O G 黒いジェラルミンケースを持ってホテルを出てきた卍を見付けると、巴は吹かしていた J Tジョイントを吸いきり、卍に近付き声を掛ける。 「大丈夫だったか? 」 「ちょっと目眩がするけど、大丈夫よ」 「目眩? 大丈夫か……? 取り引きは? 」…

第14話 Liberty Haze

第14話 Liberty Haze 経済成長から見事に取り残された長屋が密集するゴールデン街を通り抜けると、4人は花園神社の境内に入って行き、豊作祈願の参拝をする。そして人気のない神社の階段にしゃがみ込み、闇に紛れて J Tジョイントを回した。 白いケムリが4…

第15話 Blue Dream

第15話 Blue Dream 街中で流星など見えるわけもなく、人混みに身動きを奪われた巴がビルの谷間から見上げる夜空には、規則的に点滅を繰り返す薄汚れたハングル文字のネオンの明りが、よどんで灰色がかった夜空におぼろな原色を浮かび上がらせている。 新年を…

第16話 DJ Short Blueberry

第16話 DJ Short Blueberry 新宿警察署の留置所に拘留されて48時間が経った。接見禁止の巴は国選弁護人を私選にして D G と連絡を取る。 部屋からは15k の G Jガンジャ が押収された。しかしその3分の2は処分してなかった L Fリーフだ。だがそれをマジ…

第17話 Crystal METH

第17話 Crystal METH 不様に歯茎に縫い込まれていたフルメタルのワイヤーや、内蔵に突き刺さっていた何本ものカテーテル類は外す事ができたが、損傷した臓器の手術を優先した為に、骨折した骨盤の骨は折れたままになってしまった。その為、へそから下の下半…

第18話 Blissful Wizzard #420

第18話 Blissful Wizzard #420 物音一つしない冷たく静まり返った通路に、コツコツと警備隊の靴音が迫って来る。隣の独居の前で靴音が止まると、狂ったように檻の中の囚人を叱責した。 「コラッガキーッ! 何テメー体動かしてんだ! 今は運動時間じゃねーだ…

第19話 Satori - Mandala

第19話 Satori - Mandala 意識が戻ってから半年が過ぎる。キツイリハビリを毎日何時間も続けていようが、麻痺した下半身は針で刺しても何も感じなかった。 いつかナースたちの立ち話が耳に入り、私の下半身麻痺はもう治らないと言っているのが聞こえた。気晴…

第20話 Assassin

第20話 Assassin 山に降り注ぐ光と新鮮な空気が、時折体を激しく貫く痛みを癒してくれる。家の周りに以前は生えていなかったG Jガンジャの若葉が至る所に生い茂っていて、「勝手に幾らでも生えてくる、前は祭りの前だから全部刈り取って燃やしてた。コレが土…

最終話 Prison Ultra Haze

最終話 Prison Ultra Haze 「420番! 手紙と差し入れの本だ、名前を確認しろ! 間違いがなければここと、ここと、ここと、ここに、指印を押せ! 」 「はい……」 「間違いないな! 」 「はい、大丈夫です」 卍から手紙と本が D G 経由で差し入れされる。本…